i-Construction合同研修会が滋賀県米原市で開催され、当社もドローン実演で参加しました

2024年7月23日、滋賀県米原市にてi-Construction合同研修会が開催されました。この研修会は、土木工事におけるICT技術の導入(ICT施工)のメリットを官公庁の発注者に説明することを目的として、ICT施工を数年前から実施されている滋賀県内の複数企業(株式会社松居土木様、株式会社吉工様、近江建設株式会社様)が主催されました。

第1部:座学によるICT施工の説明

第1部では座学が行われ、ICT施工の事例紹介やそのメリット、具体的な施工の流れについて説明がありました。ICT施工の大まかな流れは以下の通りです:

  1. ドローンによる起工測量
  2. 3次元設計データと起工測量データの照合による土量計算
  3. ICT建機への3次元設計データの取り込み
  4. ICT建機による自動施工
  5. 施工後のドローンによる測量と出来形管理

ICT施工のメリット

ICT施工は、従来の工法とは異なり、ICT技術を活用することで作業効率を大幅に向上させます。特に以下の点が挙げられます:

  • 起工測量では、ICT技術を活用した測量機器を使用することで、広範囲の座標データを短時間で取得可能です。これにより、従来よりも少人数で効率的な測量が可能となり、人件費と時間の節約が図れます。
  • 施工のプロセスでは、建設機械の運転席モニターで施工状況をリアルタイムで確認できるため、従来の目印設置が不要となり、準備作業や仕上がり確認作業が省略可能です。これにより、安全性の向上も期待されます。
  • 施工管理の面では、施工後の形状を3次元で計測し、設計データとの比較で精度を確認できます。これにより、作業時間の短縮と施工全体の効率化が実現し、生産性の向上が見込まれます。

第2部:実地デモンストレーション

第2部では、屋外で実際のドローンや建機を使用したデモンストレーションが行われました。当社のブースでは、ドローンによる起工測量、土量計算、および出来形管理についての説明を担当しました。

使用したドローンは「Matrice300RTK」と「L2」となります。

測量においては、ドローンだけではなく、地上型レーザー測量機器も使用でき、隣のブースではデモンストレーションも行われていました。

ICT建機の制御には、MG(マシンガイダンス)およびMC(マシンコントロール)が用いられ、バックホウやブルドーザーなどの機械が制御されます。MCは完全自動制御であり、建機のレバーを引くだけで設計データ通りに自動的に成型されます。MGはモニター上の設計データを確認しながら手動で成形を行うもので、作業の精度を高めることができます。

まとめ

今回の研修会を通じて、ICT施工の実際の流れやその効果を実感することができました。ICT施工は、効率化と安全性の向上を実現し、今後の土木工事において重要な技術となり、ドローンはその一部において大きな役割を果たすことが期待されます。

国家ライセンス取得を目指す方は、先にフライトマスター講習を受講してください。

国家資格の初学者と経験者とは

ドローン国家ライセンス(無人航空機操縦士の技能証明制度)には一等と二等ががあります。
一等は「立入管理措置を講ずることなく行う特定飛行」となり、二等はその逆で「立入管理措置を講じた上で行う特定飛行」となります。

国家ライセンス講習では経験者と初学者という形で受講内容を分け、それぞれの講習では国が定めた座学、実技の講習時間が設定されています。経験者には講習内容の減免処置(時間削減)が設定されています。

初学者
受講時間が長い

経験者
受講時間が短い

経験者の定義とフライトマスター講習

当社を含む、多くの国家ライセンス登録講習機関では「国交省認定の民間資格を取得しているパイロット」を経験者に定めています。

当社のドローンフライトマスター講習も国交省認定の講習になり、受講者は国家ライセンス取得時に経験者として取り扱われます。
また、手前味噌ですが、フライトマスター講習は過去の経験から常にバージョンアップを行っており、他の管理団体の講習カリキュラムより優れているとお客様の声をいただいております。
(管理団体は、講習団体を管理する国土交通省に登録された民間団体です。)

 

 

経験者になる事でお得に国家資格が取得できます

実際に国家ライセンスを取得するためには、フライトマスター講習(民間資格)を受講後、経験者として国家ライセンス講習を受講することになります。民間資格を最初に取得することになり、手間がかかってしまいそうなイメージがありますが、実際はそうではありません
実は、民間資格⇒国家資格(経験者)が「最短時間・最小コスト」で受講する方法になります。
以下の図は、二等国家資格を取得する場合の一例となります。

国家資格取得のための前準備として

現在は、民間資格と国家資格が並行して動いています1ので、民間資格を所持しているだけでも、国交省へ許可申請をすることで飛行が可能になっています2
最終的には、国家資格に一本化されますので、時期を見ながら、まずはフライトマスター講習で民間資格を取得しておき、準備しておくこともおすすめです。

まとめ

民間資格を取得した後に、国家資格(経験者)講習を受講するのが「最短時間・最小コスト」であることが分かっていただいたと思います。

ドローンを安全に飛行させるためにも、フライトマスター講習でしっかりと学習をしてください。

  1. 2025年12月まで ↩︎
  2. 国交省認定講習で発行される民間資格を所持していれば、国交省への飛行許可申請をする際に一部の入力項目が省略できるため、スムーズに申請することができます。 ↩︎

プロクルー滋賀県湖北空撮マップ作成中

滋賀県湖北で空撮して綺麗だった場所のデータや許可先をまとめた「プロクルー滋賀県空撮マップ」を作成中です。

今後も随時更新しコンテンツとして充実させていく予定ですので、
皆様のおすすめの場所がありましたらぜひご教示いただけますと幸いです。

滋賀県は綺麗な景色がたくさんあるかと思いますので、
役に立つ楽しいマップをみんなで作っていきましょう!

ドローンのレベル3.5飛行と対応するDJI機体について解説します

国土交通省は2022年12月の航空法改正により、無人航空機(ドローン)の飛行レベル(1~4)に新たな「レベル3.5飛行」の概念が導入されたことを発表しました。これにより、従来よりも効率的なドローンの運用が可能となりました。

レベル3.5飛行がなぜ導入されたのか

レベル3.5飛行が導入された理由は、「無人地帯でのドローン活用(レベル3飛行)の促進」にあります。これは、運送業界の人手不足を解決するために「ドローン配送」を積極的に行いたいという事業者の要望に応じて、国土交通省が規制緩和として「レベル3.5」の創設を示唆したものです。

内閣官房 デジタル行財政改革会議(第2回)資料より引用

レベル3.5飛行とは

レベル3.5飛行は、レベル3飛行の飛行要件を緩和するために設定されました。最大のメリットは、3つの条件を満たすことで「立入管理措置が不要」になる点です。

その3つの条件は以下となります。

  1. 技能証明(国家資格)の保有
  2. 保険への加入
  3. ドローンのカメラによる歩行者の有無の確認

3つの条件を満たすことで省略できるのは、以下の4点です。

  • 立入管理区画を設定した場合は、当該立入管理区画に立看板等を設置するとともに、インターネットやポスター等により、問い合わせ先を明示した上で上空を無人航空機が飛行することを第三者に対して周知すること
  • 立入管理区画に道路、鉄道、家屋等、第三者が存在する可能性を排除できない場所が含まれる場合には、追加の第三者の立入りを制限する方法を講じること
  • 地上において、進行方向の飛行経路の直下及びその周辺への第三者の立ち入りの有無を常に検知できること
  • 飛行経路には道路、鉄道、家屋が密集している場所がないこと
要件レベル3飛行レベル3.5飛行
技能証明(二等国家資格)不要必要
機体認証不要不要
保険加入不要必要
機上カメラによる歩行者等の有無の確認不要必要
立入管理措置必要不要
道路・線路横断時の一時停止必要不要

これまでのレベル3飛行では、

  • 無人地帯であっても飛行エリアの周囲に補助者や看板を設置する
  • 道路や鉄道の線路の上空を横断する際に一時停止し、下に車両などがないかを確認する

ことが必要でしたが、レベル3.5飛行ではこれらが不要になりました。

これにより、これまで条件的に難しかったドローンでの物の輸送や広域に及ぶ点検作業が容易になり、ドローンの活躍の幅がさらに広がることが期待されます。

また、すでに技能証明(国家資格)を取得された方の中には、機体認証を受けた機体がなければ、その効力を十分に発揮できませんでしたが、レベル3.5飛行の要件には機体認証が含まれていないため、技能証明だけで飛行が可能となりました。

レベル3.5に対応するDJIの機体

DJI製品の無人航空機によるレベル3およびレベル3.5飛行への対応として対象となる一般用と産業用製品の一覧になります。

一般向け(カメラドローン):
 ・DJI Mavic 3 Pro、DJI Mavic 3 Pro Cine
 ・DJI Mavic 3、DJI Mavic 3 Cine
 ・DJI Mavic 3 Classic
 ・DJI Air 3
 ・DJI Inspire 3

産業用:
 ・Matrice 350 RTK
 ・Matrice 300 RTK
 ・Matrice 30、Matrice 30T、Matrice 30(Dock版)、Matrice 30T(Dock版)
 ・Matrice 3D、Matrice 3TD
 ・DJI Mavic 3E、DJI Mavic 3T、DJI Mavic 3M

●DJI製無人航空機のレベル3/3.5飛行への対応について
https://www.dji.com/jp/media-center/announcements/a-notice-for-using-dji-drones

2024年5月現在で販売中のドローンはほとんどが対象となります。

まとめ

機体認証が進まずにDJI機の導入をためらっている方もおられると思いますが、国家資格とDJI機の組み合わせでレベル3.5が実現できるようになりました。
これをきっかけにぜひ、DJI機の導入をご検討いただければと思います。

Mavic3Enterpriseシリーズの新機能「斜面ルート」を検証しました

2024年4月11日にMavic3Enterpriseシリーズの大型アップデートが実施されました。

その中でも、「斜面ルート」が非常に便利な機能となりますので、今回、飛行検証をしてみました。

その他のアップデートについては、リリースノートをご参照ください。

斜面ルートとは

斜面ルートとは立面飛行とも呼ばれ、建物の壁面に沿って、自動的に3Dモデル用の写真を複数枚撮影する機能になります。

同じような機能として、「マッピング」という機能がありますが、こちらは真俯瞰で写真を複数枚撮影することができました。

今回の「斜面ルート」は縦方向に写真を撮っていくことができますので、3Dモデルを生成する上で、構造物を多方面から撮影することができ、より高精細な3Dモデルを生成することに繋がります。

使用方法

1.DJI Pilot2の「飛行ルート」をタップします。

2.機体と接続されている状態、かつRTKがONの状態で、「斜面ルート」をタップします。

3.機体を手動で飛行させ、撮影したい立面の全体像の写真を1枚撮影すると、下図のようにマッピングの枠が表示されます。

4.「マッピングエリアの調整」でエリアの角度を調整し、下図のようにマップ上の青色の線と立面が平行になるようにします。

5.パラメータの調整では、立面に対してどれくらい離れて撮影するかを指定することができます。また、飛行速度や写真のラップ率も変更可能です。

6.飛行ルートの方向を切り替えると下図のようになります。

水平

垂直

7.左上のフロッピーディスクマークをタップし、ルートを保存した後、左上の再生ボタンをタップし、飛行が開始されます。

撮影されたデータ

<離隔距離10m、ラップ率90%>

まとめ

いかがでしたか。これまで立面飛行を行おうとすると、ウェイポイントを使って、複雑なルートを計画していく必要がありました。
これらが、写真を最初に1枚撮影するだけで、簡単に立面飛行のルート生成ができてしまいますので、非常に便利な機能だと思います。
実際に3Dモデルの生成はまた後日、お知らせいたします。

ドローン二等国家資格講習最短1日間~!座学オンラインコースをリニューアルしました。

2024年3月から、二等無人航空機操縦士講習 基本(座学オンライン)の講習が1日間となりました!

遠方の方やできるだけ最短で取得したい方にぴったりです。

3月、4月分まだ空きがございますので、この機会にぜひご検討ください。

※こちらは弊社のドローンフライトマスター講習を含む「国交省認定団体の民間資格」をお持ちの方が対象の講習です。お持ちでない場合は、まずフライトマスター講習からご受講ください。※

二等無人航空機操縦士講習(基本)座学オンライン

日程、金額

1日間 77,000円(税込)

実技講習:9:00~14:30

修了審査:14:30~17:30

※現地での実技講習を受講されるまでに、事前にオンラインシステム「CoCoPA」にて座学を修了していただく必要がございます。CoCoPAの詳細につきましては、こちらのページをご参照ください。※

※万が一修了審査が不合格となってしまった場合は、追加で日数や費用がかかります。(1日間35,200円 税込)補講日は別途日程調整させていただきます。※

場所

プロクルードローンスクール 屋内コート

〒521-0244 滋賀県米原市大野木1777BIG BREATH

注意事項

  • この講習を修了された方は、指定試験機関の実地試験が免除になります。
  • 事前にDIPSにて技能証明申請者番号を取得(申請サイトへ飛びます)してください。
    • 申請サイトの使用方法はこちらから
    • 「技能証明の取得申請」からお手続きができます。申請者番号取得時に受講登録講習機関(プロクルードローンスクール)を選択してください。   
      登録講習機関コード:0131   
      事務所コード:T0131001 
  • こちらの講習は以下の方が対象です。
    • 基本:国交省認定講習団体の技能証明証を取得していること
    • 取得されていない方は、弊社のフライトマスター講習をまずはご受講ください。
  • 当社発行以外の技能証明証をお持ちの場合は、入学金が別途22,000円(税込)かかります。
  • 支払い方法は以下となります。
    • クレジットカード
    • 銀行振込
    • 請求書払い(事業所のみ)
  • 銀行振込の振込手数料はお客様負担となります。
  • 実地講習までに事前にオンライン学科を受講する必要がございます。(約7時間の動画視聴および修了テスト)お申込み後、オンライン受講の流れにつきまして、ご連絡させていただきます。
  • オンライン講習を受講開始された後に、キャンセルをされますと、規程のキャンセル料が発生いたします。詳しくはこちらをご確認お願いいたします。

お申込み、開催スケジュールはこちら

https://drone-procrew.com/?pid=177795685

はじめてのドローンにもおすすめ!人気機種 「DJI Mini4 Pro」「DJI Air3」比較

はじめての空撮用ドローンにおすすめな人気機種「DJI Mini4 Pro」「DJI Air3」

ドローンの資格を取得したら、やっぱりマイドローンが欲しいですよね。

今回は空撮におすすめな人気機種「DJI Mini4 Pro」と「DJI Air3」の性能を比較して、おすすめポイントを解説していきます。

比較①サイズ感

DJI Mini4 Pro

折りたたみ時(プロペラなし):148×94×64 mm
展開時(プロペラあり):298×373×101 mm
249g(インテリジェントフライトバッテリー搭載時)

DJI Air3

折りたたみ時(プロペラなし):207×100.5×91.1 mm
展開時(プロペラなし):258.8×326×105.8 mm
720g

Mini4Proは片手に収まるくらいとってもコンパクトで、持ち運びが簡単です。
Air3はほどよい重量感があり、飛行させやすいです。

比較②飛行時間

DJI Mini4 Pro

34分(インテリジェント フライトバッテリー使用時)
45分(インテリジェント フライトバッテリー Plus*使用時)

DJI Air3

46分

Plusのバッテリーを使用すると、ほぼ差はありません。

比較③カメラ性能

DJI Mini4 Pro

1/1.3インチ CMOS、有効画素数:48MP
最大静止画サイズ:8064×6048
動画解像度:4K:3840×2160@24/25/30/48/50/60/100fps(スローモーション)
デジタルズーム:12MP写真:1〜2倍、4K動画:1〜3倍、フルHD動画:1〜4倍

DJI Air3

広角カメラ:1/1.3インチ CMOS、有効画素数:48MP
中望遠カメラ:1/1.3インチ CMOSセンサー、有効画素数:48MP
最大静止画サイズ:広角カメラ:8064×6048、中望遠カメラ:8064×6048
広角カメラ:4K:3840×2160@24/25/30/48/50/60/100fps(スローモーション)
中望遠カメラ:4K:3840×2160@24/25/30/48/50/60/100fps(スローモーション)
デジタルズーム:広角カメラ:1〜3倍、中望遠カメラ:3〜9倍

どちらもほぼ同等の高性能カメラです。Air3の方が広角カメラと中望遠カメラの2つを搭載しており、ズーム機能が優れています。

比較④最大風圧抵抗

DJI Mini4 Pro

10.7m/s

DJI Air3

12m/s

Air3の方が性能が高く、安定した飛行が期待できます。

比較⑤価格

DJI Mini 4 Pro Fly More コンボ Plus (DJI RC 2付属)

158,180円(税込)

DJI Air 3 Fly More コンボ (DJI RC 2付属)

187,000円(税込)

その他:Mini4Proのおすすめポイント

独自の機能「ActiveTrack 360°」

従来のActiveTrackから機能を拡張しており、内部サークルと外部サークルを設定可能になりました。この2つのサークルについてそれぞれ周回の速度や高さを設定できます。かつ内側のサークルから外側のサークルに向かって自由に設定して、被写体を追いながらの撮影も可能です。

その他のウェイポイント飛行やクルーズ制御等の機能は、Air3にもちろんついてます。

縦向き撮影が可能

SNSに掲載したい方におすすめな機能です。

まとめ

どちらの機体も高性能な機能がたくさんついていて、空撮はもちろん練習用としてもおすすめです。

毎日の生活や旅行がもっと楽しくなるドローンをはじめてみませんか。

とっても小さいのにうれしい機能満載「DJI Mini4 Pro

  • エントリーモデルを探している方
  • SNSにたくさん掲載したい方

安心のズーム機能と安定性重視「DJI Air3」

  • ほどよい重量感があって安定した飛行を重視したい方
  • 簡単な高所点検もしたい方
  • 上位機種「DJI Mavic3 Pro」はちょっと手が出せない、、、という方

ご購入ページはこちら

DJI Mini4 Pro

DJI Air3

一緒に購入するべきオプション品

マストアイテム!プロペラガード

フライト時にプロペラが周囲のものに当たってしまうことを防ぎ、万が一の墜落の際もプロペラへの接触や飛散などを防ぎ、安全性の向上が期待できます。

また、遠くまで飛ばすときは機体を見失いがちですが、プロペラガードを装着することで機体サイズが大きくなり、より視認性が向上します。

さらに、飛行許可申請の際にプロペラガードを装着したドローンの写真提出を求められることがよくあります。

万が一のときも安心!DJI Care Refresh

故障や経年劣化などをカバーする、DJI製品専用の信頼できる保証プランです。

万が一の機体の衝突、水没、紛失、経年劣化等の際、特別価格で新品交換できます。

ドローンのサングラス!NDフィルター

DJIの機器には非常に明るいレンズが採用されています。

F値が固定の機体の場合は「目を細める(F値を絞る)」ことができないので、サングラスの役割をしてくれるNDフィルターが活躍します。

新型ドローンLiDAR「DJI Zenmuse L2」と「DJI Zenmuse L1」の比較検証を行いました。

新型LiDARモジュール「DJI ZENMUSE L2」をご紹介します。ドローン用LiDARの前モデル Zenmuse L1 との違いや、実際に屋外で検証したデータをご覧いただき、新型の効率性をぜひご確認ください。

Zenmuse L2 と前モデルとの比較

 DJI Zenmuse L2DJI Zenmuse L1
レーザーパルス240kHz240kHz
※トリプルのみ160kHz
リターン最大5リターン最大3リターン
FOV繰返し:70° x3°
繰返しなし :70°x75°
繰返し:70.4°x4.5°
繰返しなし:70.4° x77.2°
ビーム発散角1.2mrad x 0.4mrad4.8mrad x 0.5mrad
検知範囲250m (反射率10%、lOOklx)190m (反射率10%、lOOklx)
保護等級IP54IP54
IMUウォーミングアップ不要必要(3~5分程度)
IMU精度Yawリアルタイム:0.2゜、後処理:0.05°
Pitch/Roll リアルタイム:0.05゜ 、後処理:0.025°
Yawリアルタイム:0.3゜、後処理:0.15°
Pitch/Rollリアルタイム:0.05゜ 、後処理:0.025°
可視光カメラ4/3インチ20MPメカニカルシャッター搭載1インチ20MPメカニカルシャッター搭載
対応機種Matrice300RTK (RC PLUSのみ) 、
Matrice350RTK
Matrice300RTK、
Matrice350RTK

リターン/レーザーパルスについて

Zenmuse L1 では、3リターンの設定時にサンプリングレートが160kHzに制限されていましたが、Zenmuse L2 であれば5リターン時でも240kHzでの照射が可能となり、より多くのレーザー照射が可能となりました。

ビーム発散角について

mradとは、カメラが対象物から1m離れている時に、対象物に照射されるレーザーの大きさがどの大きさになるかを表しています。
L2の場合は、1.2mrad x 0.4mradとなりますので、仮に100mの高度で飛行させている際に、地上に照射されるレーザーの大きさは、12cm×4㎝になります。L1の場合は100mで飛行時は48cm x 50cmとなりますので、L2は非常にレーザーの大きさが小さくなったことがわかります。
レーザー測量では、植生をすり抜けながら、地表にレーザーを照射してデータを取得しますが、レーザーの大きさが小さい方がすり抜けやすいので、L2の方がデータ取得がしやすくなっていることがわかります。

IMUウォーミングアップについて

Zenmuse L1では、LiDARの安定した出力を確保するために、電源を入れた際には3〜5分のウォーミングアップ時間が必要でした。現場で機体トラブルなどによる再起動が必要な場合、都度ウォーミングアップを待たなければならず、効率に影響が出ることがありました。しかし、Zenmuse L2ではウォーミングアップが不要ですので、設置から飛行までスムーズに業務を行うことができます。

検証データ比較

今回は弊社のドローンフィールドのデルフリキャンプドローンフィールドにて Zenmuse L1 と L2 での比較検証を行ってきました。検証条件は以下のとおりです。

  • 使用機体:Matrice 300 RTK + Zenmuse L2、Matrice300RTK + Zenmuse L1
  • D-RTK2を既知点に設置
  • 対空標識は 600mm✕600mm 2セット設置
  • 対空標識の座標はRTKローバーにて測定
  • 天候:曇り、弱風、気温15℃前後
  • DJI Terra の構築設定
    • 点群精度最適化ON/点群平滑化OFF
    • グラウンドポイントタイプ:緩斜面デフォルト

飛行場所と飛行ルート

飛行場所:デルフリキャンプ ドローンフィールド 滋賀県長浜市小谷上山田町

↑飛行ルート

現場状況としては、グラウンドデータの取得状況が分かるように、森林を含めた飛行ができるような場所を選定しました。

L1とL2の比較

L1とL2の高度による違いを検証しました。検証ポイントは上図の赤〇印となります。

※各断面図のスライス幅は50㎝に設定しています。

〇L1、繰り返しなし、高度100m

〇L1、繰り返しなし、高度50m

〇L2、繰り返しなし、高度100m

〇L2、繰り返しなし、高度50m

L1で高度50mで飛行した場合と、L2で高度100mで飛行させた場合のグラウンドデータ取得状況がほぼ変わらないことが分かります。L2のビーム径が小さくなったことやリターン数の向上によって、このような結果になったと考えられます。

高度を下げることが難しい現場であっても、L2であれば、比較的多くのグラウンドデータの取得が可能となるため、より活用の場が広がったと考えられます。

L2を使用した感想

L2を使用してみて、印象的だったことは、さらなる効率化が図られていることだと感じました。IMUウォームアップが不要、高度を高くして広範囲のデータ取得を行っても問題ないことなど、L1からの大きな進化を感じました。
弊社は、DJI CAMP ENTERPRISE ZenmuseL2インストラクターが在籍しており、L2のご購入および導入時講習を実施することができます。これから、レーザー測量をお考えの方や、L1からのグレードアップを検討されている方等、お気軽にご相談ください。

ドローンLiDAR「DJI Zenmuse L2」の点群取得検証を行いました。

前回、前機種のZenmuseL1との比較をご紹介しましたが、今回は、L2によるレーザー測量の点群取得の可能性について検証を行いました。ぜひご覧ください。

飛行概要

今回は弊社スタッフの所有する土地にて Zenmuse L2 での検証を行いました。検証条件は以下のとおりです。

  • 使用機体:Matrice 300 RTK + Zenmuse L2
  • 高度:100m
  • 飛行速度:15m/s
  • D-RTK2は設置せず、国土地理院の電子基準点データを使って、PPK処理
  • 天候:晴れ、弱風、気温15℃前後
  • DJI Terra の構築設定
    • 点群精度最適化ON/点群平滑化OFF
    • グラウンドポイントタイプ:緩斜面デフォルト

飛行場所

飛行場所:滋賀県長浜市石田町

現場状況としては、グラウンドデータの取得状況が分かるように、森林を含めた飛行ができるような場所を選定しました。

取得した点群データ

こちらが、点群データの全体像となります。(フィルタリング前)

こちらが、フィルタリングをかけて、木々を削除したデータになります。
木の下のグラウンドデータをしっかりと取得できている様子が分かります。

今回の検証のポイント

本現場には、上記の赤線で示したところに田んぼからため池に繋がる坂道の通路が存在しますが、上記の画像を見てもその通路の形状はわかりません。
仮に写真測量でこの現場を測量したとしても、グランドデータの取得はできないため、上記の画像と同じ結果になります。
今回、L2によるグラウンドデータの取得を行いましたが、この通路がはっきりと形として現れました。

上記の点群データにフィルタリングをかけたのが以下のデータとなります。

角度を変えてみると、以下のようになり、はっきりと通路が表現されています。