【精度検証】GNSS測量において、標定点の有無による精度比較およびRTK測量の精度比較を行いました

ドローンはGNSSを使用して安定した飛行を実現しています。
ドローン測量では写真データに組み込まれたGNSSの情報をもとに、空中三角測量を行うことができます。
GNSSのみの単独測位では、実際の機体の位置の誤差が数メートルずれている1といわれています。
写真測量では、数百枚の写真をもとに測量を行いますが、それぞれの写真の位置情報の誤差が大きい場合、最終的に出来上がる三次元点群データなどの成果物も全体的に誤差が生じてしまいます。

GNSSドローン写真測量には、標定点が必須

ドローン測量でデータの精度を上げるためには、「標定点」が必要になります。

そもそも標定点・検証点や精度検証とは何なのか、、、簡単にまとめると、以下のようになります。

  • 標定点:出力データを調整するための点
  • 検証点:出力データの精度を検証するための点

上記を事前にTS(トータルステーション)やGNSSローバーで測定しておき、その点に「対空標識」を設置します。

対空標識(黄/黒)の設置イメージ

写真それぞれに、対空標識(標定点)が映るように撮影し、各写真の対空標識が実際の座標点のどこに位置しているのかを覚え込ませた上で、処理することで、データの精度を上げることができます。

検証内容

今回は、DJI Phantom4Pro V2.0を使って、GNSS測量を行い、標定点の設置の有無によって、どれくらいの精度差となるのかを検証しました。
また、Matrice350RTK+P1でのRTK測量との比較も行いました。

RTK測量の精度についても詳しく解説しておりますので、ご興味のある方は以下よりぜひご参照ください。

 

 

飛行計画

GNSS測量機(Phantom4Pro V2.0)

  • 速度:2m/s
  • 地上画素寸法:1cm/px
  • オーバーラップ率:90%
  • サイドラップ率:60%
  • SfMソフト:DJI TERRA

RTK測量機(Matrice350RTK+ZenmuseP1)

  • 速度:5.4m/s
  • 地上画素寸法:1cm/px
  • オーバーラップ率:90%
  • サイドラップ率:60%
  • SfMソフト:DJI TERRA

精度検証結果【GNSS測量 標定点あり】

画面上の青色ピンが標定点、緑色ピンが検証点の位置を示しています。標定点については、公共測量の作業規程の準則に則って設置をしています。

この状態での精度検証結果が以下となります。

Xが1.7cm、Yが4cm、Zが6.3cmの誤差となりました。

また、TERRA上の計測機能を使って、面積の計算を行った結果、以下となりました。

XとYの誤差が数cmとなっていますので、上記もほぼ実測値となると考えられます。

精度検証結果【GNSS測量 標定点なし】

続いて、標定点を設置しない場合の精度検証となります。

画面上の緑色ピンが検証点の位置を示しています。

この状態での精度検証結果が以下となります。

Xが2m、Yが2.7m、Zが12mの誤差となりました。やはり、GNSS測量はメートル単位の誤差あるといわれていますが、納得の結果となりました。

また、TERRA上の計測機能を使って、面積の計算を行った結果、以下となりました。

上記の面積が実測値として提示するのは難しいと考えられます。

標定点あり、なしの比較

TERRAで面積を計測した数値を比較してみます。

約15㎡の差がありますので、やはり標定点なしでの測量は成果物としては使用できないと考えられます。

精度検証結果【D-RTK 標定点なし】

RTKを使った測量の場合の検証も行ってみました。

画面上の緑色ピンが検証点の位置を示しています。

この状態での精度検証結果が以下となります。

Xが3.5cm弱、Yが1.6cm、Zが3.2cmの誤差となりました。

RTKで標定点(対空標識)を設置しなくても非常に高い精度を出すことができました。

RTK測量についても詳しく解説しておりますので、ご興味のある方は以下よりぜひご参照ください。

 

 

また、TERRA上の計測機能を使って、面積の計算を行った結果、以下となりました。

計測した枠の形がGNSS測量の方と完全に一致しているわけではないですが、GNSS測量の標定点ありの面積とほぼ同じ面積となりました。

まとめ

いかがでしたか?
GNSS測量の場合は標定点を設置することで、精度数センチを担保することができますが、RTK測量の場合は標定点を設置せずとも数センチの精度を出すことができます。
RTKが使用できる機体は最近は増えており、数年前に比べてドローン測量が非常に進化していると感じています。
弊社では、毎月、産業機の実演会を実施していますので、産業機にご興味のある方はぜひご参加いただければと思います。また、導入後も今回のような測量の手法についての講習などもご用意しておりますので、安心してドローンの導入をしていただくことができます。

  1. GNSSを使用した測量のいろいろ 国土地理院 ↩︎

【完全ガイド】これで技能証明申請者番号攻略!

ドローンの国家資格を取得するためには技能証明申請者番号が必須となります。

ドローンの国家資格を目指すと決めた際には、まず最初に取得が必要です!

技能証明申請者番号ってなに?

技能証明申請者番号が取得できない!

そんなお悩みを1つずつ、徹底解説致します!

技能証明申請者番号とは?

技能証明書の交付にあたり各種手続きにて必要となる、申請者を特定するための番号となります。

 料金はかからず、無料で申請、10分ほどで簡単に申請可能です!

 取得までは時間がかかることもあるため、お早めに申請が必要です!

技能証明申請者番号の取得申請の全体の流れはこちら 解説していきます!

 

STEP1 : ドローン情報基盤システムにログインしましょう!

1.DIPS2.0トップページにアクセスしましょう。(https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/

2.ドローン情報基盤システムのアカウントを作成します。

右上のログインボタンもしくは左下のログイン・アカウント作成を押します。

3.個人のアカウント開設を押します。

4.次に利用規約のページが開きます。アカウントを開設するには利用規約への同意が必要です。利用規約をご確認のうえ、同意する場合はチェックボックスにチェックを付けて「次へ進む(理解しました)」ボタンを押します。

5.アカウント開設のページで必要事項を入力します。必要事項を全て入力したら、「確認」ボタンを押し、確認ページに進みます。

6.入力したアカウントの情報を確認し、間違いが無ければ「開設する」ボタンを押します。

アカウントが開設されると、アカウント開設完了のページが開き、設定したメールアドレスにログインIDが送付されます。

7.アカウントが開設できれば、トップ画面へ戻り、ログインボタンを押します。

8.ログインページで、アカウントを開設された際の IDとパスワードを入力し、

「ログイン」ボタンを押します。

9.「航空法に基づく無人航空機関係手続の一覧」にある技能証明の取得申請へを押します。

STEP2: 番号の取得に進みましょう!

1.技能証明メニューのページで、「技能証明申請者番号の取得」ボタンを押します。

STEP3 : 本人確認を行いましょう!

1.申請に必要な情報を確認しましょう。

本人確認方法を選択する前に

※本人確認の方法は4種類ございます。

以下より利用する本人確認方法に合致する操作方法を確認ください

マイナンバーカードは1日ほどで技能証明申請者番号が発行されますが、その他の書類は2週間ほどで発行されます。

マイナンバーカードをお持ちでない方は、お早目の申請をお願いします。

 

2.本人確認方法を選択したら「次へ進む」ボタンを押してください。
選択した本人確認方法に従って外部サイト又はアプリが開きます。外部サイト又はアプリの説明に従って本人確認をしてください。

次へ進むと、二次元バーコードがPC画面上に表示されます。


▼マイナンバーカードの場合(マイナンバーカードが最短です!)

1.手続きのページの指示に従ってパソコンに2次元バーコードを表示します。
2.スマートフォンでマイナポータルAP(アプリ)を起動します。
3.アプリの画面右下の2次元バーコードのマークを押します。
4.「バーコード読取」を押して、2次元バーコードを読み取ります。

※マイナポータルアプリで2次元バーコードを読み取ることがポイントです。
5.スマートフォンにマイナンバーカードをかざします。
6.数字4桁の暗証番号、英数字6〜16桁の暗証番号を入力して「OK」ボタンを押します(マイナンバーカードの券面情報の読み取りが完了すると、次の画面に移動します。)

▼運転免許証の場合

※スマートフォンで直接二次元バーコードを読み取る方法です。

マイナポータルアプリは不要です。


STEP4: 申請者情報を入力しましょう!

1.申請者情報を入力します。

※本人確認の方法でマイナンバーカードを選択した場合は、氏名、生年月日、自宅/本人の住所には、マイナンバーカードに登録されている情報が入力されます。

顔写真もこちらのページで選択します。

2.入力が完了したら「次へ」ボタンを押してください。

Step5:登録講習機関情報を入力しましょう!

1.登録講習機関情報を入力します。

「選択」ボタンを押して、受講する登録講習機関の情報を選択します。

 

2.事務所コードを検索します。
受講する登録講習機関の事務所コードを入力し、「検索」ボタンを押してください。

※登録講習機関コードでなく、事務所コードを入れてください。

3.受講する登録講習機関の情報が表示されていることを確認し確定ボタンを押してください。

◀ プロクルーのコードはこちら

4.登録講習機関情報を確認します。
受講する登録講習機関の情報で間違いないか確認し、「次へ」ボタンを押してください。

Step6:その他情報を入力しましょう!

1.その他情報を入力します。

拒否に関する条件を選択します。

その他の情報(無人航空機技能証明書の取得履歴)を選択します。

選択後、「次へ」を押してください。

Step7:申請情報を確認しましょう!

1.申請者/事務所情報/その他情報を確認します。
入力内容に誤りがある場合は各情報下部にある「修正」ボタンを押して訂正してください。
入力内容に問題がなければ「取得申請」ボタンを押してください。

2.登録したメールアドレスに確認用メールが送信される旨のダイアログが表示されるので、問題が無ければ「 OK 」ボタンを押します。

「OK」ボタンを押すと、登録したメールアドレスに「各種手続き確認のお知らせ」メールが送信されます。

Step8:到達確認をしましょう!

1.到達確認のメールを開き、メールの宛先を確認します。宛先が申請者本人であり申請手続きを進めている場合は到達確認用のURLを押します。

左の画面を開いた状態で、申請者情報に登録されたメールアドレスに届いたメールURLをクリックします。

2.メールのURLを押すとメールアドレスの 認証が完了しますので、認証完了と出ているブラウザを閉じてください。

Step9:技能証明証申請者番号の確認をしましょう!

1.申請状況を確認します。

マイナンバーカードで本人確認を行った場合は、1日ほどで発行されます。

その他の書類の場合は、2週間ほどで発行されます。

発行が完了した際には、

メールが届きます。

2.技能証明申請者番号の登録情報確認/変更をクリックします。

メールに記載のある申請受付番号でも詳細を確認することができます。

技能証明申請者番号の取得完了です!

技能証明申請者番号が取得できたら、ドローン国家資格講習のお申込みへ!!

【精度検証】Mavic3E+ネットワークRTKにおいて、標定点の有無による精度検証を行いました

Mavic3 EnterpriseはD-RTK2またはネットワークRTK(ichimill)を使った写真測量ができます。

 

RTKを使用することで、標定点(GCP)を設置せずとも、高い精度を担保して測量が可能になる1と言われておりますが、実際の精度は一体どれくらいになるのかを今回検証しました。

そもそも標定点・検証点や精度検証とは何なのか

別記事「【精度検証】GNSS測量において、標定点の有無による精度比較およびRTK測量の精度比較を行いました」で解説をしていますので、以下をご参照ください

標定点と検証点の設置について

今回は、当社の所持するGNSSローバー(FJD 測地GNSS受信機 RTK Rover V10i)を使用して、Ntrip方式で標定点や検証点を複数取得しました。

検証場所の地図と取得した地点の分布図は以下となります。(地図が古いので、実際の場所と一部構造物などが異なります。)

各ポイントの座標情報

平面直角座標(JGD2011 6系)、海抜(JGD2011 Vertical Height)

座標名場所XYZ
pt1グラウンド-70097.26435608.827163.992
pt2グラウンド-70114.51635624.882164.008
pt3砂利-70098.0935585.791162.033
pt4砂利-70104.94735576.674161.959
pt5砂利-70136.58735600.661161.976
pt6砂利-70119.46735621.854161.917
pt7駐車場-70078.50735594.849163.01
pt8砂利-70107.13835611.368161.928

 

pt1,2,7のZの高さ数値を見ていただくと、他のポイントに比べて、高さが2mほど高い位置に設置されていることがわかります。

前項の分布マップとポイント位置は若干の表記のずれがありますが、実際は緑のグラウンドに設置しているとお考え下さい。pt7はグラウンドの高さ相当の駐車場に設置しています。

上記画像を見ていただくと、白い建物が設置されている地表面(砂利)と、緑のグラウンドの高低差は2mほどになっていることがわかります。

ドローンの写真測量は水平(XY)に比べて、鉛直方向(Z)の精度が甘い2と言われていますが、こちらが検証結果にどのように現れるかが、ポイントになると考えられます。

飛行計画

  • 速度:5.4m/s
  • 地上画素寸法:1cm/px
  • オーバーラップ率:90%
  • サイドラップ率:60%
  • SfMソフト:DJI TERRA

精度検証結果【ネットワークRTK 標定点なし 高低差あり】

画面上の緑色ピンが検証点の位置を示しています。

pt1(グラウンド)、pt3(砂利)、pt6(砂利)を検証点として指定しています。

この状態での精度検証結果が以下となります。

XとYの精度は非常に高く、1cmほどとなりましたが、Zについては6cmほどでした。

 

精度検証結果【ネットワークRTK 標定点なし 高低差なし】

画面上の緑色ピンが検証点の位置を示しています。

pt3(砂利)、pt5(砂利)、pt8(砂利)を検証点として指定しています。

この状態での精度検証結果が以下となります。

前項の高低差がある場合と比較してZの精度が少し上がりました。

 

精度検証結果【ネットワークRTK 標定点あり】

画面上の青色ピンが標定点、緑色ピンが検証点の位置を示しています。標定点については、公共測量の作業規程の準則に則って設置をしています。

標定点:pt2(グラウンド)、pt4,5(砂利)、pt7(駐車場)、pt8(砂利)

検証点:pt1(グラウンド)、pt3(砂利)、pt6(砂利)で指定しています。

この状態での精度検証結果が以下となります。

X,Y,Zともに精度が向上し、特にZはかなり向上した結果となりました。

 

まとめ

いかがでしたか?
標定点は無くても場合によっては問題ない精度を担保することができることがわかりました。しかし、高低差のある現場の場合は、Zの精度を担保するために、標定点を設置する必要性もあります。

標定点を適切に配置・管理することで、測量精度を大幅に向上させ、発注者に対しての信頼性を高めることが可能です。また、運用効率やコストの最適化も視野に入れながら、ドローン測量の可能性を最大限引き出すことができます。プロジェクトの目的や環境に応じて最適なの運用方法を選択し、正確かつ効率的な測量を実現しましょう。

当社では産業用ドローンの導入サポートを行っております。また、導入後も今回のような測量の手法についての講習などもご用意しておりますので、安心してドローンの導入をしていただくことができます。

 

 

今後も、ドローン活用に関する有益な情報や最新事例を発信していきます。ぜひ、引き続きご覧ください!

 

  1. DJI 公式ページ ↩︎
  2. 高仰角に位置するQZSSの併用によるGPSの鉛直方向 平成 29 年度 日本大学理工学部 学術講演会予稿集 精度の向上効果に関する研究 ↩︎

【完全ガイド】技能証明の発行申請をしましょう!

DIPSで技能証明の発行申請をしましょう!

学科試験、実地試験、身体検査に合格し、試験申込システムで試験合格証明証発行が終了した方は技能証明の発行申請に進みましょう!

申請者情報を入力し、申請をしましょう!

1..DIPS2.0にログインしましょう。(https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/)

2.技能証明証メニューで「技能証明の新規交付」ボタンを押します。

3.申請者情報を確認します。

技能証明申請者番号に登録されている申請者情報が表示されます。

内容を確認し、「次へ」ボタンを押します。

4.合格情報を入力します。

「技能証明合格証明書番号」を選択します。

※技能証明合格証明書番号には試験申込システムであらかじめ登録された情報が表示されます。登録がなく選択できない場合は試験申込システムでの合格証明書を正しく発行できていないことが考えられます。

技能証明合格証明書(試験合格証明書)の選択ボタンを押してファイルをアップロードします。※試験申込システムで発行した試験合格証明書です。

講習修了証明書の選択ボタンを押して写真ファイルをアップロードします。

※登録講習機関で講習を受講、実技審査で合格した際にお渡しする資料となります。

複数枚(基本と限定変更など)ある際は複数枚登録することも可能です。

アップロードが完了したら次へボタンを押します。

5.その他情報を入力します。

拒否に関する条件を選択します。

欠格の事由の情報を選択します。選択後次へを押します。

6.申請情報を確認します。

申請者/合格情報/その他情報を確認します。

入力内容に誤りがある場合は各情報下部にある「修正」ボタンを押して訂正します。

入力内容に問題がなければ「新規申請」ボタンを押します。

登録したメールアドレスに確認用メールが送信される旨のダイアログが表示されるので、問題が無ければ「 OK 」ボタンを押します。

「OK」ボタンを押すと、登録したメールアドレスに「各種手続き確認のお知らせ」メールが送信されますので、メールをご確認ください。

到達確認到達確認のメールを開き、メールの宛先を確認します。宛先が申請者本人であり申請手続きを進めている場合は到達確認用のURLを押します。

支払いをしましょう!

手数料・登録免許税は、申請種別・申請内容により異なります。それぞれの手数料・登録免許税は以下のとおりです。

1.手数料納付のお知らせメールが届き次第、手数料の支払いに進みます。

技能証明メニューのページで、「申請状況確認/取下げ/支払い」ボタンを押します。

支払選択ボタンを押し、支払い方法を選択し該当の方法で支払を進めます。

技能証明の発行申請完了です!

技能証明証を手にされたみなさん、誠におめでとうございます!

新たなスキルを手にしたことで、これから広がる可能性が楽しみですね。

この資格は、無人航空機を飛行させるのに必要な技能(知識及び能力)を有することを証明するものです。練習を重ね、知識や技術を磨き、安全第一で、飛行しましょう!

ドローンをビジネスで利用される方にとって、この資格は始まりです!

ドローンを運用するためにはより専門的な知識や技術が不可欠となります。

弊社では業務(測量・点検・撮影・災害)に特化したスペシャリスト講習もご準備しておりますのでご検討ください。

DJI Mini4 Proが型式認証を取得しました。型式認証と機体認証についても解説します。

 

先日(2025年5月23日)、DJIからドローン業界に大きな影響を与える注目の発表がありました。なんと、人気のミニカメラドローン「DJI Mini 4 Pro」が、ついに“型式認証”を取得しました。

今回は、「型式認証とは何か」という基本的な解説に加え、型式認証に対応したDJI Mini 4 Proのモデルについて詳しくご紹介します。

 

 

型式認証と機体認証とは?

「型式認証」の話の前に、もう一つのドローン(無人航空機)に関する認証制度である「機体認証」について簡単にご説明します。

機体認証とは、「特定飛行」を行う無人航空機に対して、その強度・構造・性能などが安全基準に適合しているかどうかを検査し、個別の機体ごとに認証を行う制度です。つまり、ユーザーが一機ごとに検査を受け、適合性を確認してもらう仕組みです。

ただし、すべての機体を個別に検査するには、多くの時間と手間がかかってしまいます。そこで登場するのが、今回の主題である「型式認証」です。

型式認証とは、メーカーなどが設計・製造する量産機について、安全性と製品の均一性が基準を満たしているかを国がまとめて検査し、その“機種”単位で認証を与える制度です。自動車や航空機にも同様の制度があります。

この「型式認証」を取得したドローンは、ユーザーが機体認証を受ける際に、検査の一部またはすべてが省略されるため、申請や審査の負担が大きく軽減されるのです。

 

型式認証取得によるメリット

「型式認証」と「機体認証」には、それぞれ「第一種」と「第二種」が存在します。
「第一種型式認証」と「第一種機体認証」はカテゴリーⅢ飛行(立入管理措置なしでの特定飛行)に対応しており、
「第二種型式認証」と「第二種機体認証」はカテゴリーⅡ飛行(立入管理措置が講じられた区域での飛行)に対応しています。

今回、DJI Mini 4 Proは、DJI製ドローンとして初めて「第二種型式認証」を取得しました。
これにより、「第二種機体認証」を受けた機体を飛行させる操縦者にとって、大きなメリットが生まれます。

それは――
カテゴリーⅡに該当する特定飛行の一部(=カテゴリーIIB)において、これまで必要だった「飛行許可・承認の申請」が不要になるという点です。

具体的には、「第二種機体認証」を受けた機体を使用し、かつ二等無人航空機操縦士の国家資格を所持している場合、以下の特定飛行については申請不要となります:

 

  • 人口集中地区(DID)上空での飛行
  • 人または物件から30m未満の距離での飛行
  • 【限定変更取得時】夜間飛行
  • 【限定変更取得時】目視外飛行

 

つまり、
「機体認証」+「国家資格」 の両方を備えることで、特定飛行の一部を申請なしで行えるようになります。

この要件の詳細は、国土交通省が公開している「飛行形態ごとの確認フローチャート」をご参照ください。

 

出典:国⼟交通省ホームページ 無⼈航空機の⾶⾏許可・承認⼿続

 

なお、飛行許可・承認の申請が不要となる場合でも、その他の特定飛行に関する義務は引き続き必要です。
たとえば、以下のような手続きや記録は、変わらず実施しなければなりませんのでご注意ください。

 

  • 機体の登録
  • 飛行計画の通報(FISSへの申請)
  • 飛行日誌の作成・保管

 

申請不要となる点だけに注目せず、飛行に関する各種ルールを守って運用することが大切です。

 

国家資格取得をご検討の方

上記バナーをクリックしていただくと、国家資格講習の詳細ページに遷移します。

 

型式認証に対応したDJI Mini 4 Pro

今回の主役である DJI Mini 4 Pro について、簡単にご紹介します。

Mini 4 Pro は、軽量・コンパクトな機体ながら、ハイスペックな性能を誇る人気の小型ドローンです。
4K映像の撮影に対応し、全方位障害物センサーを搭載しているため、優れた安全性と操作性が高く評価されています。

さらに、被写体を自動で追尾しながらスムーズに撮影ができる「ActiveTrack 360°」機能を備えているため、プロの映像制作者はもちろん、ドローン初心者でも手軽に本格的な映像表現を楽しむことができます。

Miniシリーズの中でも、特にバランスの取れたモデルとして、多くのユーザーに支持されています。

 

ご購入前の要注意ポイント

注意点としまして、2025年6月現在出荷済み・販売中のDJI Mini 4 Proは、型式認証を取得した機体ではありません

型式認証に対応するのは、認証取得後に生産されたモデルであり、
機体に「型式名(DJI Model DJI Mini 4 Pro)」および「型式認証書番号(No.6)」が明記されているものが対象となります。

お手持ちの機体が型式認証に対応しているかどうかご確認のうえ、ご注意ください。

※型式認証取得済み機体の販売開始時期は、2025年7月上旬を予定しています。現在市場に流通しているDJI Mini 4 Proは、型式認証の対象外となります。

 

 

DJIが公開している使用者へのガイダンスについても併せてご確認ください。

型式認証取得機種「DJI式DJI Mini 4 Pro型」

6/10発表のMatrice400を実演セミナーで展示します

2025/6/10に発表になった最新産業用ドローンMatrice400が入荷しました。

 

6月17日飛行実演会in滋賀、6月24日名古屋セミナーでは、このMatrice400の実機を展示いたします。

ジンバルはL2 / P1 / H30T / V1 / S1に対応しており、測量や点検に活用が可能です。

 

新機能は

  • リアルタイム地形フォロー機能に対応
  • 手動飛行時もリアルタイム地形フォローに対応
  • 機体上部にLiDARを用いた障害物検知モジュール搭載
  • H30T搭載時、赤外線カメラでAI検知可能
  • デュアルSIM搭載に対応(Dongle2を2本搭載可)

また、バッテリーが1本となり、ホットスワップ機能は内部コンデンサでの対応となりました。

 

 

<その他、M350から進化した部分(一部)>

1.RTHがスマートRTHに対応

 

2.AR機能が豊富

 

3.障害物検知の際に、ブレーキに加えて、回避が追加

 

Matrice400が確認できるセミナーはこちら

滋賀飛行実演会 

◆会場 :ビッグブレス(滋賀県米原市)

◆開催日 :2025年6月17日(火)

◆開催時間:
【第1部 点検/防災】  11時00分〜13時00分

【第2部 ICT施工/測量】14時00分〜16時30分

◆参加費用:無料

◆募集人数:30名

※雨天時も内容を変更して実施します

 

 

名古屋産業用ドローンセミナー 

◆会場 :ウインクあいち(名古屋市)

◆開催日:2025年6月24日(火)

◆開催時間:
【第1部 点検/防災】  11時00分〜12時30分
(受付開始 10時45分〜) 
【第2部 ICT施工/測量】14時00分〜16時00分
(受付開始 13時45分〜)

◆参加費用:無料

◆募集人数:30名

 

DJI、6月10日に新製品発表!ティザーサイトが登場

DJIサイトで新製品発表のティザーが加わりました。2025年6月10日に産業分野の新製品をアナウンスすると発表されています。

ティザーには、「Engineered for Excellence, Designed for Versatility (さらなる堅牢性、無限の可能性)」というコピーが銘打たれ、2025年6月10日21時00分(日本時間)にEnterprise分野の新製品が発表されます。産業機の新機種が登場するかもしれません。

公式サイトはこちらから

~DJI Flipと旅行に~フィンランドで空撮を行いました

こんにちは!プロクルードローン事業部Enterprise担当の北川です。

3月下旬に憧れの国フィンランドへ旅行に行った際に、「DJI Flip」をお供に連れていきました。

訪れた場所は、ヘルシンキとロヴァニエミです。海外にドローンを持ち込むのは初めてでした。

Flipの良さも実感しましたので、ご紹介します。

飛行機へのドローンの持ち込み、法律関係について

ドローンのバッテリーは預け手荷物ではなく機内持ち込みとなります。

国内線と国際線、搭乗する航空会社によっても異なる可能性がございますので、必ず事前にご確認ください。

今回は荷物を少しでも減らすために送信機は持っていきませんでした。

Flipはスマホで操縦できるところも魅力のひとつです。

Flip本体とバッテリー1個のみ持ち込みましたが、手荷物検査等全て問題ございませんでした。

また、法律関係ですがフィンランドは日本と同じような第三者上空での飛行や150m以上の上空、空港周辺等規制がありますが、日本よりも飛行させやすいです。

アジアは比較的規制が厳しい印象があります。

法律関係は下記DJIサイトを参考にしました。

https://www.dji.com/jp/flyingtips/fi

また、飛行制限区域(GEO区域)はDJI Fly safeより確認しました。

https://fly-safe.dji.com/home

in ヘルシンキ

ヘルシンキでは町中に路面電車が走っているためか、伝送環境が非常に悪かったです。

すぐに電波が切れてしまうので少し上昇させる程度しか操縦できませんでした。

天気がとてもよく、青い空、海、観覧車はばっちり撮れました。

写真中央に写っているのはヘルシンキのシンボル「ヘルシンキ大聖堂」です。

後で近くに行ってみて気付きましたが、残念ながら正面は大規模工事中でした。

街は大きすぎず、人も多すぎず、海沿いではアコーディオンが聴こえてきたり、ゆったりとした空気が流れていてとても居心地が良かったです。

in ロヴァニエミ

旅の後半は寝台列車でサンタクロースの住む街「ロヴァニエミ」に移動しました。

北極圏の入口に位置しますので、ヘルシンキに比べ寒いです。

日中はマイナス1度ほどでしたが、スキーウェアを着用していたので動くと暑いくらいでした。

サンタクロース村やショッピングができるような中心部は、ロヴァニエミ空港周辺のためドローンの飛行はできません。

今回はオーロラを見るために少し郊外の宿泊先を選んでいたので、その周辺は飛行可能でした。

宿泊先の目の前には川があり、冬場は凍っているため、

散歩したり、そりで遊んだり、スノーモービルや犬ぞりも楽しむことができます。

障害物は何もないので伝送環境はばっちりでした。

フォローモードを使用してみたり自動飛行で遊ぶこともできました。

地面は雪と氷でしたが、手のひらから離着陸できるのもとても便利でした。

気温は0度前後でしたが、急激なバッテリー低下もなく不具合は特に起こりませんでした。

1点後悔したことは、送信機を持ってこなかったことです。

やはり、細かいカメラ設定や速度の調節はスマホでは難しいため、特に動画をたくさん撮りたい場合は付属の送信機を持っていくことをおすすめします。

夜はマイナス10度ほどになり街灯もありませんので、安全上飛行はさせませんでした。

夜中24時ごろスタッフの方が部屋まで声を掛けにきててくれて、ラッキーなことにオーロラを見ることができました!幻想的で夢のようでした。

綺麗な景色がたくさん見れて、はじめての経験ができて、幸せに暮らすヒントをたくさん見つけられたフィンランド。かけがえのない旅になりました。

ドローンで空撮を楽しむ

初めての場所でドローンを飛ばすことはワクワクしますが、同じくらい緊張しますし、怖いことかもしれません。

ただし、しっかりと準備を行い、操縦技術を身につけ、性能を把握し、ルールをきちんと守って安全に配慮すれば、ドローンは危険なものではありません。

ドローンを購入したけど全然使っていない、、、というお声をよく聞きます。

まずは近所で飛行できる場所を探してみましょう。

申請が必要な場所であれば勇気をもって申請してみましょう。

見たことない素晴らしい景色を見れるかもしれません。

私はドローンから見る真俯瞰の画が大好きです。

少しでも皆様のドローン空撮を行う後押しになれば幸いです。

「DJI Flip」最短当日出荷!

1台限りとなりますが、現在Flipの在庫があるため最短当日出荷が可能です。

初めてのドローンにもぴったりです。ぜひご検討ください。

詳細・ご購入はこちら→https://drone-procrew.com/?pid=184396196