
DJI D-RTK3には、主に「固定局モード」、「ローバーステーションモード」が搭載されています。
ローバーステーションモードはGNSSローバーの機能となり、ネットワークRTKを使用してポールの先端の位置情報を数センチの誤差で取得できるモードとなり、測量業務で標定点(調整点)・検証点を設置する上では必須の機能となります。
ローバーステーションモードは、DJIの「DJI Enterpriseアプリ」を使用することになりますが、使い方がわかりにくいため、今回、使用方法について詳しく説明させていただきます。
なお、D-RTK3の検証を行った記事もございますので、併せてご参照ください。
アプリのインストール

DJI Enterpriseアプリを「Android」デバイスにインストールします。
Androidデバイスをお持ちでない場合は、「DJI RC PLUS 2」にインストールしてお使いいただくことができます。
Androidスマホへインストール

上記のQRコードを読み取っていただく、もしくは下記のボタンをタップしていただくとアプリケーションがダウンロードできます。
画面の指示に従って、ダウンロード&インストールをお願いします。
DJI RC PLUS2へのインストール

1.コントローラの「< 物理ボタン」を押下して、メイン画面を表示し、「Firefox」をタップしてください。

2.検索バーに「D-RTK3」と入力し、「→」ボタンを押下します。

3.D-RTK3のサイトをタップします

4.ダウンロードをタップします

5.Androidのアイコンをタップするとダウンロードが開始します。

6.上記の図通りにタップしていきます

7.ホーム画面に戻ると、DJI Enterpriseアプリがインストールされていますので、タップして開きます。
DJI Enterpriseアプリの初回起動時の画面

画面の指示に従って、同意ボタンなどを押下していってください。

最初にするべきことは、D-RTK3のモード切替となります。D-RTK3の電源ボタンを「3回」押すことで、モード切替ができ、Mのマークが黄色になれば、移動局として使用できるようになります。この作業を行わなければ、DJI Enterpriseアプリとリンクできませんので、ご注意ください。

アプリ上部の「D-RTK3 Rover Station」をタップし、「Connect Device」をタップします。次の画面で、D-RTK3の表示が出ますので、「Connect」をタップします。
D-RTK3ローバーステーションモードの事前準備

D-RTK3をタップすると、ネットワークRTKの情報入力画面になりますので、ichimillなどの契約情報を入力していきます。
入力が完了しましたら、「confirm」をタップします。
※ネットワークRTKを使用するため、AndroidスマホもしくはRC PLUSはインターネットに接続する必要があります。

次に、出力座標系の事前設定を行います。「Manage Coodinate System」をタップします。

Craeteをタップして、「Universal Coordinate System」にチェックを入れ、Confirmをタップします。

鉛筆マークをタップして、名前を変更します。分かりやすいように、「平面直角座標〇〇系」といった名称にすることをおすすめします。

「Projected Coordinate System」をタップして、検索窓に「JGD2011」と入力します。
※JGD2024には今後対応予定となります。

変換したい座標系を選択し、左上の「<」で戻ります。Projected Coordinate Systemに指定した座標系が表示されていることを確認し、Confirmをタップします。元の画面に戻りましたら、左上の「<」をタップします。
D-RTK3ローバーステーションモード座標取得方法

「Create Task」をタップします。タスクの名称を入力して、Confirmをタップします。

「RTK coordinate system」をタップすると、事前に作成しておいた座標系がリストアップされますので、出力したい座標系をタップします。チェックが入りましたら、Confirmをタップします。

Coordinate Formatを「Planar」に指定します。
Planar:X、Yの表記
Geodetic:緯度、経度の表記
最後に、Startをタップします。

「Point Setting」をタップします。

Point Type
検証点の場合:Check Point
標定点の場合:Control Point
Point Name
出力時の点の名称
Convergence Count
エポック数の指定。10をおすすめします。
Pole Height
使用しているポールの高さを指定します。

ポールの高さを事前に入力しておくことで、ポール分の長さをオフセットした状態で地面の座標の取得ができます。
まずは①の高さを測り、その後、ポールの長さを引いて、②の高さを記録する。

次に、IMUのキャリブレーションを行います。画面左のアイコンをタップします。

ポールの高さが正しいか確認し、Startをタップします。画面の通り、1秒間隔でポールを前後に30度行き来させて、キャリブレーションを行います。成功すると、元の画面に自動的に戻り、アイコンが青色背景になります。

IMU機能が付いていないローバーの場合、右図の①の点を取得してしまいます。
D-RTK3の場合は、ポールが傾いていたとしてもポールの先が触れている点(②)を取得することができます。

「+Add Point」をタップすると、カウントアップしていきます。
✓Point Added と表示されれば成功です。
※左上のRTK StatusがFixにならないと、Add Pointが押下できません。
Fix > Float > Single の順で、精度の差があります。

座標点をすべて取り終わりましたら取得した座標値をCSVで出力することができます。
「Complete」をタップします。「Manege」をタップすると、タスク一覧が表示されます。

「Select」をタップして、出力したいタスクを選択し、「Export Task Report」をタップします。
出力先のAndroidのフォルダを選択してください。

出力されたフォルダのCSVファイルをPC等に移動し、計測結果が確認できます。
現状は、平面直角座標(X,Y)の変換のみサポートしております。
高さは「楕円体高」となりますので、国土地理院のジオイド計算ツールで、オフセットしていただくよう、お願いします。



