DJI Mini4 Proが型式認証を取得しました。型式認証と機体認証についても解説します。

 

先日(2025年5月23日)、DJIからドローン業界に大きな影響を与える注目の発表がありました。なんと、人気のミニカメラドローン「DJI Mini 4 Pro」が、ついに“型式認証”を取得しました。

今回は、「型式認証とは何か」という基本的な解説に加え、型式認証に対応したDJI Mini 4 Proのモデルについて詳しくご紹介します。

 

 

型式認証と機体認証とは?

「型式認証」の話の前に、もう一つのドローン(無人航空機)に関する認証制度である「機体認証」について簡単にご説明します。

機体認証とは、「特定飛行」を行う無人航空機に対して、その強度・構造・性能などが安全基準に適合しているかどうかを検査し、個別の機体ごとに認証を行う制度です。つまり、ユーザーが一機ごとに検査を受け、適合性を確認してもらう仕組みです。

ただし、すべての機体を個別に検査するには、多くの時間と手間がかかってしまいます。そこで登場するのが、今回の主題である「型式認証」です。

型式認証とは、メーカーなどが設計・製造する量産機について、安全性と製品の均一性が基準を満たしているかを国がまとめて検査し、その“機種”単位で認証を与える制度です。自動車や航空機にも同様の制度があります。

この「型式認証」を取得したドローンは、ユーザーが機体認証を受ける際に、検査の一部またはすべてが省略されるため、申請や審査の負担が大きく軽減されるのです。

 

型式認証取得によるメリット

「型式認証」と「機体認証」には、それぞれ「第一種」と「第二種」が存在します。
「第一種型式認証」と「第一種機体認証」はカテゴリーⅢ飛行(立入管理措置なしでの特定飛行)に対応しており、
「第二種型式認証」と「第二種機体認証」はカテゴリーⅡ飛行(立入管理措置が講じられた区域での飛行)に対応しています。

今回、DJI Mini 4 Proは、DJI製ドローンとして初めて「第二種型式認証」を取得しました。
これにより、「第二種機体認証」を受けた機体を飛行させる操縦者にとって、大きなメリットが生まれます。

それは――
カテゴリーⅡに該当する特定飛行の一部(=カテゴリーIIB)において、これまで必要だった「飛行許可・承認の申請」が不要になるという点です。

具体的には、「第二種機体認証」を受けた機体を使用し、かつ二等無人航空機操縦士の国家資格を所持している場合、以下の特定飛行については申請不要となります:

 

  • 人口集中地区(DID)上空での飛行
  • 人または物件から30m未満の距離での飛行
  • 【限定変更取得時】夜間飛行
  • 【限定変更取得時】目視外飛行

 

つまり、
「機体認証」+「国家資格」 の両方を備えることで、特定飛行の一部を申請なしで行えるようになります。

この要件の詳細は、国土交通省が公開している「飛行形態ごとの確認フローチャート」をご参照ください。

 

出典:国⼟交通省ホームページ 無⼈航空機の⾶⾏許可・承認⼿続

 

なお、飛行許可・承認の申請が不要となる場合でも、その他の特定飛行に関する義務は引き続き必要です。
たとえば、以下のような手続きや記録は、変わらず実施しなければなりませんのでご注意ください。

 

  • 機体の登録
  • 飛行計画の通報(FISSへの申請)
  • 飛行日誌の作成・保管

 

申請不要となる点だけに注目せず、飛行に関する各種ルールを守って運用することが大切です。

 

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型式認証に対応したDJI Mini 4 Pro

今回の主役である DJI Mini 4 Pro について、簡単にご紹介します。

Mini 4 Pro は、軽量・コンパクトな機体ながら、ハイスペックな性能を誇る人気の小型ドローンです。
4K映像の撮影に対応し、全方位障害物センサーを搭載しているため、優れた安全性と操作性が高く評価されています。

さらに、被写体を自動で追尾しながらスムーズに撮影ができる「ActiveTrack 360°」機能を備えているため、プロの映像制作者はもちろん、ドローン初心者でも手軽に本格的な映像表現を楽しむことができます。

Miniシリーズの中でも、特にバランスの取れたモデルとして、多くのユーザーに支持されています。

 

ご購入前の要注意ポイント

注意点としまして、2025年6月現在出荷済み・販売中のDJI Mini 4 Proは、型式認証を取得した機体ではありません

型式認証に対応するのは、認証取得後に生産されたモデルであり、
機体に「型式名(DJI Model DJI Mini 4 Pro)」および「型式認証書番号(No.6)」が明記されているものが対象となります。

お手持ちの機体が型式認証に対応しているかどうかご確認のうえ、ご注意ください。

※型式認証取得済み機体の販売開始時期は、2025年7月上旬を予定しています。現在市場に流通しているDJI Mini 4 Proは、型式認証の対象外となります。

 

 

DJIが公開している使用者へのガイダンスについても併せてご確認ください。

型式認証取得機種「DJI式DJI Mini 4 Pro型」

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