2022年11月7日に公開された「DIPS2.0」何が変わった?

2022年11月7日にドローン情報基盤システムがリニューアルされ、「DIPS2.0」が公開されました。
今回は、以前のシステムに比べて、何が変わったかをご紹介します。

これまでの3つのシステムが1つにまとまった

以前は、ドローンの申請関係のシステムは以下の3つがありました。

  1. ドローン登録システム(DRS)
  2. ドローン情報基盤システム(DIPS)
  3. ドローン情報基盤システム 飛行情報共有機能(FISS)

法改正を重ねるごとに、DIPS → FISS → DRS の順番にシステムが増えていき、申請する側は全体の流れがつかめず、大変でした。
そこで、今回は、これらの3つのシステムをひとまとめにして「DIPS2.0」という表記になりました。

DIPS2.0には以下のシステムが含まれています。

  1. ドローン登録システム
  2. 飛行許可・承認システム
  3. 飛行計画通報システム

ドローン登録システム ≒ 旧DRS
飛行許可・承認システム ≒ 旧DIPS
飛行計画通報システム ≒ 旧FISS

上記のように考えると分かりやすいかもしれません。

アカウントが1つだけに絞られた

以前は、DRS、DIPS、FISSすべて別々のアカウントを作成し、それぞれ違うIDとPassが必要になり、アカウントの管理がとても大変でした。

上記は、ドローン登録システム、飛行許可・承認システム、飛行計画通報システムのログイン画面となっており、すべて同じIDとPassでログインができるようになりました。

機体登録のし忘れを防ぐうれしい機能

旧DIPSで飛行許可・承認の申請をする際に一番初めに行うことは、所持している機体を登録することでした。
以前のシステムでは、手動で機体情報を入力するパターンと、旧DRSで事前に登録しておいた機体をインポートする方法がありました。
旧DRSの存在を知らずに、旧DIPSで機体登録をしてしまい、後から旧DRSで再度登録を行うという二度手間がよくありました。

今回の改善点としては、飛行許可・承認システムから機体の登録をすることができないようになっており、ドローン登録システムに登録されている機体が自動的に表示される仕様となりました。

これによって、「最初にドローン登録システムで登録料を支払って登録記号を発行する」というプロセスを経なければならなくなり、二度手間を無くすことに繋がりました。

管理団体・講習団体をコードで検索をかけられるようになった

こちらは非常にうれしい機能が追加されました。
技能証明証および操縦者の情報を入力する際に、「管理団体」「講習団体」を選択する必要があります。

以下は、旧DIPSの画面です。

以前は、プルダウンメニューから約2000件のスクールを上から順番に探していって、受講したスクールを選択する必要がありました。
お客様の中には、「探し出すのに20分くらいかかった」という意見もあり、当社としても何とかならないかと感じていました。
そこで、新たに各スクールをコードで検索をかける機能が追加されました。

当社の場合は、

発行団体コード:K109
講習団体コード:368

で検索をかけることができます。

個人的に思う素晴らしい機能「カテゴリー判定」

今回、新たに「特定飛行」というワードが出てきました。
これは、「飛行が禁止されている空域」「禁止されている飛行方法」の事を指します。
この特定飛行はさらに場合分けされ、以下のようなカテゴリー表記がされました。

カテゴリーIII特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じないで行う飛行。(=第三者の上空で特定飛行を行う)
カテゴリーII特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じたうえで行う飛行。(=第三者の上空を飛行しない)
カテゴリーI特定飛行に該当しない飛行。
航空法上の飛行許可・承認手続きは不要。

カテゴリーIIIは国家ライセンス(一等)が必須の飛行となります。
現状、私たちはカテゴリーIIまたはカテゴリーIの飛行を行う形になります。
よくお客様のご質問で、「田舎でお昼に目視内で飛ばそうと思うが、許可申請をしたい」という話が出てきます。
これはつまり、

〇飛行禁止空域外で飛行させる。
〇禁止されている飛行方法はすべて守れる。

=特定飛行に該当しない飛行で、許可承認は不要となります。

このように操縦者の方々は、どこで飛ばすにもDIPSの許可承認申請が必須だと勘違いされる方が多いです。
これをうまく防ぐために自分が行おうと考えている飛行がどのカテゴリーになるかを調べられる「カテゴリー判定」機能がつきました。

以下はカテゴリー判定の画面になります。

「カテゴリーII」と判定されたので、「飛行許可・承認申請へ」のボタンが表示されています。

飛行許可・承認システム → 飛行計画通報システム

前述のカテゴリー診断にて、上記は「カテゴリーI」と判定された画面になります。
丁寧に「飛行許可・承認は不要となります。」と書いてくれています。
さらに「飛行計画通報へ」のボタンが表示されており、うまく飛行計画通報システムへ誘導してくれています。

まとめ

DIPS2.0は、

ドローン登録システム → 飛行許可・承認システム → 飛行計画通報システム

のように、正しい手順で申請ができるようにうまく工夫がされていると感じました。
これまで旧システムを使っていた方は、慣れるのに少し時間がかかるかもしれませんが、これからドローンを飛ばし始める方は非常に使いやすいシステムになったと思います。
みなさんもぜひ使ってみてください。

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